・はじめに

 債権回収とは、文字通り、債権を債務者から回収する事件になります。その解決方法は、多種多様にあります。弊所では、依頼者様にとりまして、最善の方法をご提案し、事件処理に当たっております。

また、弊所では、取引先が売掛代金の支払ってくれないなどの企業の問題から、友人にお金を貸したのに返してくれないなどの個人の問題まで、幅広く取り扱っております。

お気軽にご相談下さい。

 ■債権回収の方法
  例えば、人に貸したお金を返してもらう債権や品物の代金を支払ってもらう債権など、相手方からお金を支払ってもらう債権は、通常は、請求書を送ったり電話やメール等で催促したりすれば回収できるものですが、いくら請求書を送っても電話やメール等で催促しても相手方が支払ってくれない場合には、より効果的な債権回収方法を検討する必要があります。そのような債権回収方法としては、①内容証明郵便、②公正証書、③支払督促、④民事調停、⑤少額訴訟、⑥訴訟、⑦強制執行の活用等が挙げられます。
  これらの債権回収方法を活用しても、債権全額が一挙に回収できるとは限りませんが、一部の回収であっても、とにかく少しでも多い金額を回収できるように、いろいろな債権回収方法を駆使して努力をするということになります。

 ■内容証明郵便
  内容証明郵便は、相手方へ送付する文書の謄本を日本郵便㈱が保管してくれて、どのような内容の文書がいつ相手方へ送付されたかということを日本郵便㈱が証明してくれる郵便です。同時に配達証明を申し込むことで相手方が受け取った日を日本郵便㈱が証明してくれます。
  郵便局で差し出す方法とインターネットの電子内容証明サービスを利用して差し出す方法があります。
  内容証明郵便自体には特別な法律的な効力があるわけではありませんが、内容証明郵便という体裁自体で債権回収の強い要望を示すことができますし、文書の内容等を日本郵便㈱が証明してくれますので相手方は債権の催促の文書を知らないというような言い逃れができなくなります。
  相手方への内容証明郵便の送付をきっかけに相手方との交渉が始まることも多いです。

 ■公正証書
  公正証書は、公証人(国の公務である公証事務を担う公務員)が作成する文書です。公証人は公証役場という事務所で執務しています。
  債権回収の場合は、相手方と交渉をして話がまとまれば(例えば、分割払いでお金を支払ってもらうということもあり得るところです)、相手方がお金の支払いを約束する内容の公正証書を作成すると効果的です。この場合、必ず公正証書に相手方が約束を守らない場合には直ちに強制執行に服する旨の陳述を記載するようにします。お金の支払いを約束する内容の公正証書にこのような陳述を記載すれば、その公正証書は債務名義(債権が存在して強制執行ができることを示す公的文書)となり、相手方が約束を守らない場合に直ちに強制執行の申立てができることになります。

 ■支払督促
  支払督促は、裁判所に申立てることによって相手方に対してお金の支払いを命じてもらう制度です。
  相手方が交渉に応じないような場合には、ケースに応じて支払督促を検討することになります。
  支払督促が発せられた場合、相手方が支払督促を受け取ってから2週間以内に異議を申し立てると通常の民事訴訟手続に移行してしまいます。
  相手方がこの異議申立てをしない場合には、裁判所に仮執行宣言をしてもらうように申し立てて、支払督促に仮執行宣言を付けてもらい、これに基づいて強制執行の申立てができるようになります。
  なお、相手方は仮執行宣言が付いた支払督促を受け取ってから2週間以内に異議を申し立てることができ、この異議の申立てがあると通常の民事訴訟手続に移行します。相手方が仮執行宣言が付いた支払督促に異議を申し立てたとしても、執行停止の手続をとらなければ強制執行を停止することはできないことになっています。

 ■民事調停
  民事調停は、裁判所での話し合いによりお互いが合意することで紛争の解決を図る手続です。
  民事調停の手続では、中立の裁判所の調停委員会(裁判官1名と調停委員2人以上で構成)が間に入って(通常は調停委員2名が担当してくれます)、当事者双方の主張・考え等を聴いて、解決の方向性を一緒に考えてくれたり歩み寄りを促してくれたりしますので、一般論としましては相手方と1対1で交渉するよりも合意の可能性が高まるといえます。相手方が交渉に応じているが中立の第三者が間に入らないとうまく進まないような場合には、ケースに応じて民事調停を検討することになります。
  民事調停での話し合いによって相手方との間で合意ができた場合は(例えば、分割払いでお金を支払ってもらうという結論もあり得るところです)、調停が成立するということになり、合意の内容が調停調書に記載されます。この調停調書は判決と同じ効力を持つとされており、調停調書に記載された約束を相手方が守らない場合には直ちに強制執行の申立てができることになります。
  なお、民事調停での話し合いの結果これ以上話し合いを続けても当事者双方の合意ができる見込みがないという場合には、基本的には、調停は不成立になり、民事調停の手続は終了することになります。

 ■少額訴訟
  少額訴訟は、60万円以下のお金の支払いを求める訴えについて、1回の審理で判決をすることを原則とする簡易裁判所における特別の訴訟手続です。
  相手方が交渉に応じないような場合には、ケースに応じて少額訴訟を検討することになります。
  被告が少額訴訟を望まず最初の期日で弁論をするまでに通常の訴訟へ移行させる旨の申し出をした場合には通常の訴訟へ移行しますので、そのような申し出のない場合に少額訴訟の審理が進められることになります。
  原告勝訴の判決が出た場合、被告が判決を受け取ってから2週間以内に異議(控訴ではありません)を申し立てないと判決が確定します。
  このような少額訴訟の判決を得た場合には、これを債務名義として強制執行の申立てができることになります。少額訴訟の債務名義の場合、通常の強制執行以外にも、少額訴訟債権執行という簡易迅速な強制執行を当該簡易裁判所に申し立てることができます。
  なお、少額訴訟では、裁判所での和解による解決があり得ます。和解が成立すると、その内容が和解調書に記載されます。この和解調書は判決と同じ効力を持つとされており、和解調書に記載された約束を相手方が守らない場合には直ちに強制執行(通常の強制執行あるいは少額訴訟債権執行)の申立てができることになります。

 ■通常訴訟
  通常訴訟は、少額訴訟のような60万円以下という金額の制限がなく、裁判官が原告と被告の主張を聴いたり証拠を調べたりして最終的に判決によって解決を図る手続です。金額の制限はありませんが、140万円以下の事件は簡易裁判所の管轄となり、140万円を超える事件は地方裁判所の管轄となります。少額訴訟のような1回の審理で判決をする原則はありませんので、一般的には複数回の審理が行われます。
  相手方が交渉に応じないような場合には、ケースに応じて通常訴訟を検討することになります。
  被告が原告にお金を支払うことを命じる原告勝訴の判決が出た場合、被告が判決を受け取ってから2週間以内に控訴を申し立てないと判決が確定します。
  少額訴訟の場合と同様、判決を債務名義として強制執行の申立てができることになります(ただし、少額訴訟債権執行という制度は通常訴訟にはありません)。
  通常訴訟では、裁判所での和解によって解決するケースも非常に多いといえます。和解が成立すると、その内容が和解調書に記載されます。この和解調書は判決と同じ効力を持つとされており、和解調書に記載された約束を相手方が守らない場合には直ちに強制執行の申立てができることになります。
  なお、通常訴訟で勝訴判決を得るまでには時間がかかることがあるため、その間に相手方が財産を処分したりしないように、通常訴訟とあわせて、民事保全の手続(相手方の財産を一時的に処分できないようにしておく手続)をしておく必要がある場合もあります。

 ■強制執行
  強制執行は、債務名義を得たにもかかわらず相手方がお金を支払ってくれず債権回収が実現できない場合等に、裁判所に申立てをして、裁判所によって相手方に対する請求権を強制的に実現してもらう手続です。
  裁判所によって強制的に債権回収を実現してもらうという点で、強制執行は非常に強力であり、債務名義を得たにもかかわらず相手方がお金を支払ってくれないような場合には、いわば最終手段として強制執行の申立てを検討するということになります。
 (1)債権執行、不動産執行、動産執行
    比較的よく利用される強制執行としては、債権執行、不動産執行、動産執行が挙げられます。
   ① 債権執行
     債権執行は、相手方が第三者に対して有している債権に対する強制執行であり、このような債権を差し押さえて、その第三者から直接に支払いを受けることによって債権の回収を図る手続です。この債権執行の申立てを裁判所が認めると、裁判所は債権差押命令を出します。
     比較的よく利用される例としては、相手方が銀行に対して有している預金債権の差押えや相手方が勤務先の会社に対して有している給料債権の差押えが挙げられます。
     原則として、裁判所の債権差押命令が相手方に送達された日から1週間を経過したときは、債権者は相手方が第三者に対して有している債権について自ら取り立てることができます。
   ② 不動産執行
     不動産執行は、相手方が有している不動産に対する強制執行であり、強制競売が典型例です。
     強制競売は、相手方が有している不動産を差し押さえて競売によってお金に換えて、これを債権者に配当すること等によって債権の回収を図る手続です。
     この強制競売の申立てを裁判所が認めると、裁判所が強制競売開始決定を出して、当該不動産の登記簿に差押の登記がされたり、相手方に強制競売開始決定の正本が送達されたりします。その後、競売の手続を進めていきますが、競売では売却価格が低くなるのが一般ですので、実際の実務では、不動産業者が動いて相手方の協力を得て、競売の入札が行われる前に、任意売却で当該不動産を売却することが多いです(任意売却の場合、一般的には、競売よりも高い金額で売却できます)。このような任意売却をした場合には、その売却代金から分配金を得て債権の回収を図るということになり、当該不動産を売却してしまった以上、強制競売の申立ては取り下げることになります。
     任意売却をすることができない場合は、基本的に、競売の手続で当該不動産を売却し、債権者はその配当金で債権の回収を図るということになります。
③ 動産執行
     動産執行は、相手方が有している動産(自動車は除きます)に対する強制執行であり、動産を差し押さえてお金に換えてこれを債権者に配当すること等によって債権の回収を図る手続です。動産執行は、執行官による動産の差押えにより開始されます。
     相手方の自宅(相手方が個人の場合)や事務所・事業所(相手方が法人の場合)等に執行官が赴いてその場で動産を差し押さえますので、それなりにインパクトがある強制執行といえます。
     ただ、差押禁止動産(例えば、債務者等の生活に欠くことができない衣服、寝具、家具、台所用具等)というものがあり、また、差し押さえた動産の換価価値が低いことも多く、十分な債権の回収ができないケースが比較的多いことには注意が必要です。
 (2)財産開示手続、第三者からの情報取得手続
    相手方がどのような財産を有しているのかわからずにむやみに強制執行をすると、強制執行が空振りになる可能性も高くなり、費用や労力等ばかりがかかってそれに見合うだけの債権回収が図れない場合もあります。そこで、強制執行の実効性を高めるために、相手方がどのような財産を有しているのかを調べる制度として、財産開示手続、第三者からの情報取得手続があります。
    あくまでも相手方がどのような財産を有しているのかを調べるだけですので、債権の回収をするためには、調べた結果を利用して、別途に強制執行をしなければならないということになります。
   ① 財産開示手続
     財産開示手続は、相手方の財産に関する情報を得るための手続であり、相手方が、財産開示期日に裁判所に出頭し、相手方の財産の状況を陳述するという手続です。
     相手方は、正当な理由なく、財産開示期日に出頭しなかったり、財産開示期日において虚偽の陳述をしたような場合には、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられることがあります。
   ② 第三者からの情報取得手続
     第三者からの情報取得手続は、相手方の財産に関する情報を得るための手続であり、相手方の財産に関する情報を第三者から提供してもらう手続です。
     要件をみたせば、不動産、給与(勤務先)、預貯金、上場株式・国債等に関する情報を第三者(登記所、市町村・日本年金機構等、銀行等、証券会社等)から取得することができます。
     なお、相手方の給与(勤務先)に関する情報取得手続は、相手方に対して扶養義務等に係る請求権または人の生命若しくは身体の侵害による損害賠償請求権を有していなければ、利用することができないとされています。

・費用

請求する金額着手金標準額報酬金標準額
 300万円以下の場合 8.8% 17.6% 
 300万円を超え3000万円以下の場合 5.5%+9万9000円 11%+19万8000円
 3000万円を超え3億円以下の場合 3.3%+75万9000円 6.6%+151万8000円
 3億円を超える場合 2.2%+405万9000円 4.4%+811万8000円